梅雨の晴れ間、末広通りにある増井さんの事務所に、おじゃましました。 増井さんは吉祥寺にレストランを3件経営しています。パリジェンヌ、クチーナ、ototo、どこも吉祥寺人にはお馴染みのお店。特に女性には絶大な人気があります。

さて、今日は、増井さんの人柄や、レストランをはじめたいきさつなど、もろもろを伺いたいと思います。 私たちが、こんにちは、と入っていった事務所では、ちょうどコックさんと打ち合わせ中。お忙しいところすみません。 インタビューが始まる前、奥様がお茶を入れてくださいました。

ここで予備知識 フレンチのパリジェンヌは東急裏、大正通りに、イタリアンのクチーナとおさかな料理のototoはティップネスの近く、末広通りにあります。


■パリジェンヌを始めたのはいつですか?

う〜ん。もう21年前になるかなあ。当時はここにフレンチはなかったんだよね。僕のところが一番古いんだよ。 7〜8年前には22軒もあったけど、今は12軒かなあ。へっちゃったね。 それに代わって、5年ほど前からイタリアンが逆転してきているよ。フレンチの3倍はあるかな、、、なんと吉祥寺に今や40軒あるからね。この500メートル四方に!!!

■それは驚きですね

吉祥寺だけじゃないよ。自由が丘や二子玉川、下北も同じ。つまり全国規模の現象だね。

■クチーナは何年ですか?

9年に入ったかな。当時、イタリアンは6軒だけだからね。今から思えばウソのようだよ。

■客層は?

パリジェンヌは大人の方が多いなあ。それも女性が圧倒的。昼間は98%女性ですよ。

■すご〜い!

夜は6対4で女性が多いよ。カップルもいるけれど、女性同士というパターンも多いなあ。レストランは女性客を大切にしているからね。

■増井さんとフランス料理の出会いは何ですか?

おばが料亭をやっていてね。そのせいか、昔から料理を作ることと、食べることが大好きだったんだよね。NHKの「今日の料理」は学生のころから見ていたし、、、。学校サボって見ていたこともあるねえ。

■へええ!!お・ど・ろ・き、30年ほど前のことですよね

そうだよ。ハハハ、当時はっちょっとめずらしかったね。帝国ホテルの村上さんって知っているだろ?

■ええ

彼を始め、土井さん、江上さんといった方がいて、僕の憧れだったね。 でもね。親は僕が料理人になるのは反対だったんだ。ごく普通のサラリーマンにしたかったようだよ。でも僕はぜんぜん興味がなかったから、、。 おばの料亭でアルバイトしたりして料理の道に進もうと思ったわけ。

■じゃあ、なぜフレンチなんですか?

村上シェフへの憧れと、フランス文学への憧れかなあ。 (私たちインタビュアーは、当時の増井さんを想像) 村上シェフにはいろいろと相談したんだよ。30歳までには、お店をもちたいということなどをね。 そんないきさつがあって、村上さんの勧めもあって、29歳で独立したんだ。

■はやかったんですね

そうだね。そのころこんなにかっぷくはよくなかったけどね。(笑い)

■吉祥寺へのこだわりって何ですか?

やっぱり、この町が好きなんだよね。ずっとここで傍観しているんだけど、ずいぶん変わったね。今は、なんといっても若い人が多いねえ。本当にびっくりだよ。サンロードなんて竹下通りみたいじゃない。違う? 中年よ何処にってかんじ。ちょっと元気がなくなっちゃったみたいだね。

■そうですね。あまり姿が見えてこないですね。ところで、増井さんにとって、吉祥寺に3店舗というのは、なにか特別なこだわりがあるのですか?

僕自身、料理人かビジネスか、というところで、いろいろな迷いもあったよ。でも、ここに3店舗にした理由は、目の届く範囲でやりたい、というのがあったからで、吉祥寺を選んでよかったと思っている。 それに何というか、一軒だすと、次には違うアイデアのお店が頭に浮かんでくるというか、、、 ototoのお店は、フレンチでは味わえないダイナミックな魚料理をしたいといった願望があったから、作ったのさ。イタリアンもフレンチも魚は三枚におろすけど、でもそうじゃない魚料理ということで、、、ototoが誕生したんだよ。

■たとえば?

ど〜んと、でかいままのかぶと焼きなんか、もうわくわくしちゃうよね。  そんな豪快な魚料理を作りたくなるんだ。まるごと味わってもらいたいからね。 だから僕は週3回、6時に築地に着くように5時に家を出る。新鮮な魚を仕入れ、9時には帰ってきて、3店舗に魚を分ける。今ではこれが僕の趣味のひとつといって言いぐらい。なんたって築地は大好き。いいねえ。どきどきしちゃうよ。

 

■とにかく市場が大好きなんですね。

そうだよ。地方の市場もおもしろいよ。僕はね、観光なんてぜんぜんしなくっていいんだ。(奥さんの笑い) 市場巡りして、あちこちの市場情報をコンピュータで流したら面白いだろうね。今コンピュータにはまっているから、いろいろやりたいことがいっぱいあるよ。

■最近ホームページを作られたというお話を聞いてますよ

そうなんだよ。始めはコンピュータと距離をおいていたけど、今じゃね、大のマックファンになっちゃった。 (彼の机の上にはタンジェリンのiMacが、デ〜ンと座っている) そうだね。半年位前から、必要に迫られて始めたのが病みつき。最初は教えてくれる人が いたからね。それからはなんとか独学でがんばっているよ。面白さもわかってきたしね。いつも思うんだけど、日本はやっぱりアメリカに比べて、遅れているよね。もっといろんなサービスやコンピュータが使いやすい環境ができるといいんだよ。そう思わない?・

■ごもっとも。ごもっとも。この読者も、そう思っていますよ。さて、話は変わって、ワインの話なんですが、とてもお好きだそうですね

そうだよ。9月にはフランスに行ってくるつもり。ボルドーのワイン情報を今度仕入れてくるからね。ついでだからリモージュにも寄って、焼き物も見てくるんだ。僕はそっちのほうにも興味があるからね。 今度、窯も持ちたいな、と考えているんだ。

■趣味が多彩ですね。

うん。楽しいよ。 (そばで仕事をしている、奥さんもニコニコ)

■吉祥寺でお好きなお店はありますか?

トック・ブランシュとか、ボナペティとか、ドス・ガトスとかね。中華だったら竹櫨山房や桃園だね。竹櫨山房のほうは、計算された味って感じだし、桃園はダイナミックなおいしさかな。どこもいいね。シエフとも友達だしね。
おいしい店が多いことはいいことだね。 吉祥寺はここ5年の変わり方はすごいよ。アダルトが減って、若年層がすごく増えたね。サンロードも東急デパート裏もそうだし、、、
ちょっとよそ者の町みたいだけど。もちろんサムタイムの野口さんとか、モアの寺島さん、昔と同様に活躍している人はいるからね。バランスが取れているのかもしれないな。
それにしても、渋谷や下北のお店のチェーン店も増えたね。昔はこんなになかったよ。
だから、僕は逆に地元らしさを、これからも強調したいんだ。 だって吉祥寺っていい町だものね。

■最後にちょっと質問してもいいですか?

何? なんだか怖いな、、、

■増井さんは、カンツオーネを歌うのが好きと聞きましたが?

えっ、そんなこと誰が言ったの? ドスガトスの高森さんが言ったの? ただ酔っ払うと歌う、それだけよ。小学校の時、得意だったのは事実だけどね。ン10年も前のことだけど。 帰れソレントとか、オーソレミーヨ、サンタルティアとか、、、 でも歌うというより、雄たけびかな、、、がはは。 (奥さんは、つられて苦笑い)

■カラオケもやるんですか?

なんだね。せいぜい愛の賛歌とかマイウエイかな。僕は体がでかいから、大声は得意だよ。

■今度聞かせてくださいね

ハハハ。困ったな、、、

ということで、カラオケの仮約束をして、インタビューは終わりました。 増井さん、奥さん、お忙しいところ、ありがとうございました。


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