初夏のすがすがしい日曜日、吉Web編集者その1、その2は南町の久住さんの仕事場を訪れた。
さわやかな笑顔で迎えてくれた久住さんは、手みやげのちっちゃなパイナップルをとっても喜んでくれて、私たちはうれしかった。
そして、お話はスムーズにはじまった・・・・。




<祝 文春漫画賞受賞のこと>

文春漫画賞受賞おめでとうございます。
 受賞のお知らせを受けたのはいつですか?

発表は5月25日ですね。
2週間ぐらい前に最終選考に残ったという連絡があって、(発表の日は)どこにいるか?って。
芥川賞なんかもそうだけど、あれって、たいていみんな飲み屋にいるんだってね。
いつもの仲間といて、落選しても「落ちた〜!ばかやろ〜!」ってなるわけ。だって、
イヤじゃない?家で待っててとれなかったら・・。(笑い)

では、やはり久住さんもどこかの飲み屋さんにいらしたんですか?

なんかいろいろ気を遣われたらいやだし、落ちてはしゃぐのも恥ずかしいから、自宅にいた。

僕らにとっては、「中学生日記」は「懐かしい!」という印象が強いんですが、
あれは、久住さんの実体験ですか?

いや、マンガだから作ってることにしておきます。
90%の実話は「モチーフ」(笑い)
でも、ホントよくあんなくだらないものに賞をくれたと思うよ。
かなり、激論だったとは、聞いたんだけど。だってわからない人には全然わかんないでしょう?きっと。
加藤芳郎(審査員長で漫画家協会のトップ)は、まず笑わないと思うよね。というか、
ホントに読んだのか?(笑い)

ご自宅で知らせを受けた時はどんな感じだったんですか?

「文春漫画賞選考委員会のものですが、決定したのでお受けいただけますか?」って。
その瞬間、武蔵丸が和服着て「謹んでお受けします」と手をついてる図が頭に浮かん
だ、ホントに(笑い)。
「おめでとうございます『中学生日記』がとりましたっ!!」とかいうんじゃないんだよ。
なんか変な感じ。これから弟さんの方に電話しますけどって・・・。
で、ただ、「あ、そうすか?」なんて。 弟は、「うっそー?!」って言ったって。

で、「で、明日来ていただけますか。明日の昼の都合どうですか?」ていうから、
明日?急なこと言うじゃん、なんて思いながら「お昼からバンドの練習があるんで・・
・」なんて言っちゃって。

バンドの練習が優先されるのは微笑ましいなー。

そしたら何時ぐらいなら来れますかって聞くから、「2時に終わるからギターをおい
て、3時ぐらいなら。」ってことで翌日弟と吉祥寺の駅で待ち合わせして、でも10分
ぐらい遅れちゃったのねオレたち。
弟と向かっている途中で「来てくれって言われたけどなんか他に言われた?」
判子もって来いとか?保健証もって来いとか?身分証明するものとかさ。」
「え、いらないんじゃん。オレ何も持って来てないぜ。」
「で、どこ行けばいいんだろ?」「受付で、『あのすいません。文春漫画賞とったものですが。』なんて聞くのかな?」オレ恥ずかしいよ、そんなこと話しながら、弟
と2人で「おっ玄関こちだ。」
て、ちんたら入っていったら・・・・。もう、そこに立ってんだ・・・。

どなたが?

お迎えの人が、玄関に、3人で立って。
オレたち、「あっ、すいません、遅れちゃって。」なんて・・。参った。

で、広ーい応接室に通されると、ちょっと怪しげなミニスカートそれもかなりミニの
人が、「アイスコーヒーと紅茶と・・・」って取りに来るの注文を。
それで応接室の奥の方が記者会見席みたいになってるわけ。
「なんだ、これは、嘘だろ?」と思った。もう一人受賞した人、小泉吉宏さんが当然
もう来ていて、その人と俺達3人で、社長とか次期社長とか代表取締役の人とか選考
委員とかに「この度は」とか言われたり、受賞のダンドリ聞いたりさ。おもしろかった
よ。冗談ばっかり言って。

正式発表は新聞上ですか?

正式発表は「オール読物」・・・。読んだこと無いぜ。まだあったか。
小さい頃にいったお医者さんにあったような気がするなー。
で、そこに発表されるので、写真を撮って、あとは受賞の言葉を考えて欲しいと言わ
れて、それから銀行振り込み先とかね。
副賞が100万で、受賞の記念品が盾とかじゃなくて、腕時計なんだね。で、
カラーコピーで腕時計のカタログ見せられて、どれにしますか?っていうの。それが
すごく意外だった。
選択の余地があるとは。SEIKOのごく普通の腕時計なんだけどね。

受賞までにすることって何なんですか?

受賞の言葉はもうファックスで、あと、スピーチが2、3分っていうんだよ。 
オレたち2人だから漫才みたいにやろうかって。
そしたら、もう一人の人(受賞者)が「弟さんこっちにも貸して下さい」って。(笑い)

お祝いは連日連夜?

いや、そうでもないですよ。みんな、そんな風に言うんだけど、全然そんなことない
です。当日は、アンドゥ(久住さんの仕事場近くのワインバー)に行って、おごった!
みんなに。(お店から)一本だしてくれたけどね。結局みんなに自分でごちそうしてし
まった。

受賞して、素直に喜んでいるのがとってもいいカンジだなー。

だって、一等賞ってとったことないからね。
受賞の言葉はそう書いたよ。一等賞てのは小学校からとったことないからとってもう
れしいけど、でも一等賞が3人いるってのはオレらしい!って。ひとりじゃなんにも
できないボクらしい。


<QBBのこと>

弟さんとのコンビネーションというのはおもしろい形態ですね。
弟さんとは仲良しなんですか?

仲いいよ。全然性格違うけど。弟は仕事するときはまず机の上を整理整頓して、
手も洗ってきちっとして、オレはもう部屋に入ってきてメチャメチャのままなだれ込む。

ホームページにも書いてあるけど、弟は白内障の手術して良くなった時だったから、
(受賞は)すごくタイミングが良くてホントに「めでたいっ!!」て感じ。
アトピーなんですよ。薬のステロイドの副作用がきたのね、両眼に。
視力そのものは落ちてないんだけど、自分で色を塗った色むらのようなのがわからなく
なってくるんだって。
世の中にトレーシングペパーかけた状態。だんだんと解らなくなって、だから最後の方
はパソコンで絵描いてた。これなら、ムラがないとか言って。
で、その時にさらにアトピーもひどくなってたらしいんだよね。

だから、弟はあの本にはものすごくいろんな思い出があるんじゃないかな。
あれ(中学生日記)を連載している途中で子供も産まれたりしてね。
子供が産まれたり、アトピーがひどかったり、眼が悪くなったり・・・。
単行本にするための最後の描き下ろしの頃が最悪で、白内障もひどくなって、
絶対手術しなきゃだ めだってなって「これをやりきって休むんだ。」って言ってたからね。
で、手術して良くなってという時だったから、タイミングとしてはよかったね。
オレなんかはそれが一番うれしかったよ。「ヨカッタじゃん!」なんてね。

う〜ん、い〜話だなー。

これで賞とったら最高だよな」なんて言ってたの。ふざけて。
でもとるわけねぇよなって。
弟はとくに、マンガで食ってるわけじゃないじゃないし、本業はイラストや挿し絵のほうがだから。
だって、中学生日記の原稿料だってもらってないしね。
なんての、ローリングストーンズでベース弾いて賞もらったって感じだって。
つまり、サイドマンである自分には全然責任や負担がなくて楽しんでやった気楽な仕事
でもらった感じだって。
でも、絵本の(業界の)は人達ガロなんか読まないだろうから、これで賞とったら、
あっ、マンガもこんなの描いてるんだって思ってもらえたら嬉しいって。
本業の絵柄とマンガ、全然違うから、弟は。

泉晴紀さんにもご連絡しました?

最初に出版社に連絡して、その後に連絡した。
「もらちゃった!」って言ったら、「ヤー!!」って。

「QBB」と「泉昌之」の違いは何でしょう?

泉くんは、子供とか、中学生くらいの繊細な微妙な感じというよりも、
大人の男の、「何!」ガーン「うをおお」ドーン!「そんな馬鹿な!」バーンという白目剥いて仰天してるような男の極端さが持ち味のタイプ。
で、弟はそれできないんですよね。
泉くんと10年くらいやってきて、なんで新たに弟と始めたかっていうとね、
弟が失業したんだよね。シルクスクリーンの刷り師してたんだ。かなり職人肌になっ
てたんだけど、色々ごたごたがあって、会社を辞めて、フリーでイラストレイターに
なろうかな、何か仕事ないかな、と言ってきて、イラスト見せに来たんだ。
そしたらそれが、うまいじゃん!! で、二人で漫画でも描こうかって。
泉くんとやっててこういうのは描けないなと思っていた、たとえば留守番をしてる子
供の微妙な気分なんかを実にリアルに描いてくれたから、
あっ、いいじゃん!」って。でも弟は繊細な人だから、
漫画を描くのに最初すごい丁寧に丁寧に・・・。すごい神経質になっちゃってて、
でも中学生日記あたりで爆発したね。書き文字でいいや、きたなくていいやって。
そこまで何年もかかっているんだけど。
もっと、楽にしろよっていってるんだけどなかなかできない。
俺は自分の中学生の頃の事でもあったから調子づいたんじゃないかな。最低だから。
なにしろ。エラソウにカッコつけてもお母さんより背が低い(笑い)。
「こんなくだらないのでくれるんだからな、最高だよ。中学生日記でもらったてとこ
がいいよ。」とか言ってるんだ、弟とは。

中学生時代をよく覚えているということは、久住さんは物覚えが良い!ということ
なんでしょうか?

いやー、良くみんなに言われるんだよ、そういうことは。
だけど、締め切りが近づいて、追いつめられて追いつめられて、
そうしてやっと出てくる感じなんだよね。で苦し紛れに4コマ1本描いたら、
あー、あれもあった、あれもあったって・ ・・。
あとは芋蔓式に出てくる。その積み重ね。

久住さんが漫画家という職業になったのはいつですか?

23・・・でも、ガロだから。原稿料無しだから。給料もらってないから。でも、ガロに
載ったおかげで
仕事が来るようになったし、今でも感謝してる、そういう場があったことに。

赤瀬川さんのところにいたのはその頃ですか?

19歳から。美学校ね、神田神保町にあった。
赤瀬川さんの「絵・文字工房」てとこにいたんだけど。昼間は実技、夜は講義って感
じで、そこが青林堂に近かったから、夜になると青林堂を終わった南伸坊さんとか渡
辺(和博)さんとかが遊びに来てたんだよ、あと平口さんとかもね。で、飲んだり笑っ
たりしてて。焼酎呑みながらの授業だったから。それで、呑みすぎちゃったりして・・
・「トマソン」って言葉がない頃だったね、まだ。
その頃赤瀬川さんと南さんと渡辺さんもみんな貧乏だったしね。

ビンボウ?

ビンボーだよ。
しんぼーびんぼー(伸坊貧乏)が、似顔絵描くようになって、しんぼーたぼー(伸坊
多忙)になってーなんて言ってんだよ。
赤瀬川さんだって、「少年とオブジェ」ってタイトルのエッセイ集を出した時、初版
が800部だったの、オレ達にはすっごくおもしろかったけどね。
みんな暇だったし良く野球とかやったよ。ソフトボールで。
チーム名「神田ミンチョーズ」っていうの。 明朝体唐戸って(笑い)
それが、後に原平さん中央公論新人賞獲って、野間文芸賞獲って芥川賞でしょ。
で「利休」の脚本書いて 今や「老人力」ベストセラーで、大変な人でしょ?
南さんだって、去年は、日本装丁家賞、って凄い賞受賞だし。
あの頃には考えられないね。

<吉祥寺のこと>

遊び場は吉祥寺?

吉祥寺が遊び場になったのはう〜ん・・・。完全な遊び場になったのは高校卒業してからかな。オレは美学校と法政と両方行ってたけど、みんなは浪人したりしてるじゃ ない。
そうやってバラバラになッてる連中が、週末は吉祥寺に集まって遊ぶようになったん だよ。
昼間はパチンコしたりしてね。
土曜日の夜今は無き「ぐわらん堂」に行くとみんないるって感じ。あと、プチロードの
モア」とか。
「モア」は高校の時から行ってたなぁ。みんな高校生だったのにたまってタバコすって 、
ウエイトレスと仲良くなっちゃったりしてさ、(モアの)ウエイトレスで明星学園を
卒業したばっかりなのがいて、そういう子と仲良くなったりなんかしてたから、(オーナーに)すごいけむたがら れてて「あの野郎達また来てる」って。(笑い)オレなんかひとりで行くこと多かったのに「あいつらの一味だな」って思われたような気がするね。

お洒落なジャズ喫茶がすごく増えた頃だったな。「ボニー&クライド」とか「スクラッ
」とか、「ファミリー」。時代的にはフージョンブームが来る直前か。
昔の「ファンキー」も行った。もろジャズ喫茶。私語お断り。ジャズの勉強って感じ
の店。でも、大人ぶってそういうとこ行ったね、ひとりで。
あとロック喫茶も行った。「赤毛とそばかす」とかさ。「コーヒー!」って言ったのに
のにコーラがきちゃうような、爆音喫茶(笑い)。そのころはオールマンブラザーズのライヴとか聴いてた。
ロック喫茶は結構あったんだよ。もう全部無くなったけどね。
最近はお気に入りのお店はありますか?

オレはね、居心地の悪いところじゃなければ、家と仕事場の間、帰り道にあるとこな
らどこでもいいんだよね。だから、こだわってそこに行ってるんじゃないの。だから、
引っ越したら行かないよ、オレ。そういう冷たい奴なんだってみんなに言われるけど
ね。今は「andoxu」とか[COPA BROS」がおおいかな。
というか毎晩のように(笑い)。遅ーい時間。
でもね、三鷹にね、すごく好きな居酒屋があって、そこは(引っ越した)今でも時々ど
うしても行きたくなっちゃうから行くの。
で、「アンドゥ」のソムリエとか「ラ・パン・アジル」の店長とかね、彼らにその店教
えらら、気に入っちゃって、行くんだよ。居酒屋だよ、ただの。ダサーイ。「栄(えい)
ちゃん
」っていうんだけど。栄ちゃんって名前もそうでしょ。イイんだよ煮込みとか
おいしーんだ!!焼き鳥とかもすごいおいしんだ。
某有名焼鳥屋の人たちもお店終わってからよく来てるんだ。で、焼き鳥食ってんだよ。
で、ひどいんだよ、
「いやーホントうめーよなー。よくみんなウチのあんな不味い焼き鳥食うよなー」な
んて言ってるんだよ。
うわぁあーいいのかぁ?いいのかぁ?って思いながらさー。
でも、オレ年間250日くらいは行ってたね。
正直でおいしいんだよ。なにを頼んでも。安くて。なんて三鷹の宣伝してどうする(笑い)

吉祥寺ってやっぱりパルコができた時が街が大きく変わる節目だった気がする。
あそこに映画館があって。昔の基本の歓楽街の構造みたいなのがあったんだよ、そこには。
パルコのところに映画館があってジャズ喫茶があって、飲み屋があって、そういう場
所だったんだよね。パルコがバン!てできて、映画館を取りはらってジャズ喫茶もな
くして。でもまさか「ファンキー」がケーキ屋みたいになるとは思わなかった。
友人が(ファンキーで)バイトしたりしてると、中年の客で学生のころ昔の「ファン
キー」に入りびったってた人が懐かしんで来るんだって。で、名前だけ同じですっかり変わった店に落ち着かない感じにいて 「ここって、あのファンキーですか?」って聞くんだって。
「はい、あのファンキーです。」って答えると「へぇ」て感じでコーヒー飲んで帰ってくんだって。結構かわいそうな感じしたって。

そう言えば、町の外観の雰囲気も変わってきてますよね。

やっぱり大きな百貨店がどんどん出来て、高架線の駅から見える街のシルエットが変わったよね。
前はもっとフラットだった。しかたないよ、日本は土地がないから、
上に伸びるしかない。
でもフラットでごちゃごちゃしてる方が街っておもしろいんだよね。

(吉祥寺が)渋谷化するんんじゃないかっていう心配の声もありますが、

それは、全日本的な傾向でしょ。経済効率だけ考えたら全部同じになっちゃうんだよ。



<おしゃれのこと>


「いつもおしゃれにお洋服を着こなしてらっしゃいますが、お好きなブランド、お
気に入りの店着こなしのこだわりなどありますか。」という質問が寄せられましたが。

すばらしいですね。もう、オレ一番苦手な話だなー。

どなたかスタイリストはいらっしゃるんですか?

いないですよー。妻が買ってくるのはあるけど。洋服買うのほどやなことないね。
だからいっぺんにたくさん買うタイプ。パルコのバーゲン・・・パルコだよ、吉祥寺の、ほとんど。
「あ〜、洋服の話はしないでくれ、誰も見ないでくれ〜。」て感じで。

そんなにイヤなんですか?

ん〜、選んでる己の姿が・・・・恥ずかしいんだよあれって。頭に浮かんじゃうんだ。
映像として。
やだよ〜。(店に)長く居るのがやなんだ。店員が近づいてくると、本気で逃げたくなる。

じゃあ、試着なんてやでしょ。

すっごい、やだ! あててみるのもやだ!ズボンは穿かなくちゃだめだからそれがすっ
ごい苦痛で、3本くらいいっぺんに買って3年ぐらいはもう買わない。

苦痛は最小限に?

そうだよ、やだよー。



<アフリカのこと>


外国で暮らすなんて?

思うことあるよ。なにか仕事できるんだったらその方がいいんじゃないの。

どこの国?

わかんないけどね。
アフリカは好きだね。
ケニアに2回行ってるんだ。今年も誘われてるんだけど。
そう、また賞にはなしは戻るんだけどさ。
行くときは、古川タクさんとヒサ・クニヒコさんていうイラストレーター
が中心になって作ってる「ジャンボサファリクラブ」に入れてもらって行くのね。
で、そこに誘われて行った人にはさ、僕の他に、東海林さだおさん、
サトウサンペイさんがいるんだ。
で、今言った古川さん、ヒサさん、東海林さん、サトウさん、そして今回の僕で、
全員文春漫画賞とってるの。すごいびっくりなんだけど、偶然。
だから文春漫画賞欲しかったらジャンボサファリクラブに入ってアフリカに行くとい
いんじゃないかって、冗談まで言ってた。

そのサファリクラブはもう20年近く毎年のように行ってるから、向こうに知ってる人たちができてるし、日本のツアーよりも全然待遇がいいんだ、サファリのテントのホテルなんかの。

それはすごいなぁ。

大人だからねー。。
で、89年に最初行って、91年に行って、だからオレは8年ぐらい行ってない。

でも、行って、「あっ、ここから人類は出てきたんだ。絶対そうだ、ここから出てきて世界に散
らばって行ったんだ。」って思った。

あとね、初めて行ったときに、翻訳家の女の人で鴻巣さんって言う人がいるのね。
その人もいっしょに行ったんだけど、同じ誕生日でさ、7月15日で。
で、もう一人7月15日がいたの。
偶然そこに7月15日が3人居るっていうので、現地人のスタッフがお祝いしてやるって言ってさ。
夜夕食の時に、そこは100人ぐらい入れるでっかいテントなんだけど、急に奥の方が
騒がしくなって、ギターと、ファンタの瓶をギロにしたのとか、ちっちゃいお土産用の
太鼓
とか伴奏つけて誕生日の歌歌いながらケーキを持ってきてうねり歩いて来るの。
明かりはランプだけだしね、みんなウワーてなって。すっごい、楽しかったね。
あんな誕生日、一生に1度だ。
食事が済んだら外ででっかいたき火囲んで、デッキチェアでラム酒のんで。

すごいよ、やっぱりサバンナは。ホントに広大な・・・。
で、そのキャンプまで、8時間くらい車で行くんだけど、帰りは飛行機なんだよ、セ
スナみたいなやつで。だけど、行きは飛行機で行かないの、絶対。
つまんないから。だんだん、だんだんサバナになってって、で、とーくにさ、キリン
なんか出てくるわけよ。そういう入っていく瞬間がたまらない。
ジュラシック・パークってあったじゃん。あの感じ!!まさに!最初、キリンが出て
きたりした時とか、
テントのすぐ裏の川向こうにゾウの群を見た時とか。

ああ、アフリカのことになると、だめだね、語っちゃって興奮して(笑い)
<音楽のこと>

お忙しい中さぞや大変かといらぬ心配をしてしまうのですが月一ライブをやることに何かこだわりなど?

ん、なんかね、音楽が、ホントにある時期からご飯食べるのと同じになってきたから、
イベントのために音楽をやるんじゃなくて、月1回ぐらいどっ
かに食べに行くような
ことに近い・・・ようにしたい。そういう気持ち。

若いときは、いつかCD作ろうとか、メジャーデビューしようとか、そういうことが何
か最終的な目的みたいな感じがあって、それのために音楽やってるとこあるでしょう。
今あんまりそういうの、ない。若くないからか(笑い)
もっとギターうまくなりたいとか、あまりないし、いや、うまくなるというニュアンスが今は全然違うよね。
早弾き出来るとか、コードいっぱい知ってるのがすごいとか、そんなのどうでもいいんだ。
調味料の名前いっぱい知ってても仕方ないじゃん、て感じ。美味しい音楽できればい
いんだ、自分達が。
ノリがあう奴と一緒に、出来るだけたくさん、おもしろい音楽作っていける機会を持
ちたい、というだけ。
やっぱり、アメリカに行って、ミシシッピーとかに行って、ブルースなんか聞いたり
したのは、大きかったかな。貧しい奴らと一緒にハモニカ吹いて大受けしたり。
そういうのしてから、アメリカの都市のブルースとか聞きに行ったら、みんな白人なんだ、
客も、プレイヤーも。黒人はブルースなんてやってない、みんなラップとかだしさ。
白人のブルースバンドって、すごいみんなうまいんだけど、全然おもしろくないんだ
よね。研究発表聞いてるみたいでね。
それがちょうど日本人の大学生ぐらいのギター小僧みたいでさ、なんか、個性とかじゃなくて
真似っこなんだよ、1から10まで。で、自己陶酔してる。カラオケと一緒。退屈だよ。
もっと、普通にしゃべったり、冗談行ったりするように音楽できればいいと思ってる。
やっぱり音楽はコミュニケーションだと思う。

アフリカの人たちは、音楽が生活に入り込んでますよね。

そうだよね、おれもほんとそうだよ。
(音楽が)ないと、やだね。だけど、こういうふうになってきたのは30代後半だな。
歳とってからの方が音楽やるのが楽で、自然になった。今まで何してたんだろ?って感じ。

音楽歴は?

生ギターは中学生からだし、フォークみたいなことやったり、高校生の時は何人かで
やったりして、大学生になってバンド組むようになって。大学イコールバンドって感
じだった。もう、バンドと酒しかなかったね大学は。授業なんかなんにも出ないし、
5年間それやったからね。

じゃあ、その頃は音楽で食えたらいいなーって気持ちは?

どっかあったね、気持ちが。食えたらっていうか、レコード出たらいいなーとか、売
れたらいいなーとか・・・。結局インディーズでアルバム1枚と、CD1枚出して、
テレビに一回でたぐらいかな。大学のノリのバンドでは。でもライブハウスは結構人
入ってたよ。

今度受賞記念ライブやるんですよ。

どこで?

原宿の明治通り沿いの「クロコダイル」で。

西荻のライブハウスでは、超満員で、酸欠状態だったですからね。

あそこはキャパ40人くらいで、70人近く入ったから。
クロコダイルは、100人以上入れるからダイジョブ。大人の店だし。
今回は爆音ホーンセクション付き。ホーンセクション付き爆音
モニターもあるから、受賞式のことやったりとか、そういうビジュアルなおもしろさ
も、見せられるよ。テレビで一緒にやったHPの先生が、オープニングCG作ってる。
お祭りだから全部ありっ!てのにしようかと思って。
バイオリンとアコースティックのユニット「SIESTA」も出てくれることになったし、
ウクレレもやるし。
生ギター1本から始めて、だんだんメンバーが増えて、最後はゲストにみうらじゅん
と泉晴紀も呼んで。
今回のライブで否定されたら、もう何もフォローしようがない、という感じ(笑い)。
休憩時間もビデオで何かと「お宝映像」見せるよ。

見逃せませんなー。
<インターネットのこと>                       

インターネット活用術を教えてください。

インターネットはずいぶんマンガを描く資料になるようになりましたね。
ここ2,3年。最初インターネットやってたころはおそいし、いろいろ大変だったけど。
こないだも夜中にバスの絵、描かなきゃならなくなって、いざ描こうとすると描けな
いもんでしょ。
でも「京王バス」ッて検索したら一発で出てくるじゃない、京王バスのホームページが。
バーンと写真でてるし。そういう意味ではすばらしいっすよ。
 
コミュニケーションツールとしては?たとえば先日の受賞のお祝いだとか?

早かったね。もう。
掲示板にバーァって流れたの全部プリントアウトして、弟に送ったら、
俺インターネットやる」って。(笑い)「いいなぁぁああ」とか言って。
あとドイツとか、フランスとかそういうとこからも来るじゃない。
ニューヨークからも来るし、革命的だよね。当日だよ。
こないだ、サンダーバードの話したけど、サンダーバードがさ、どこのチャンネルで
もいいから、国際救助隊すぐに応答下さいっていうと、来るって言うのがさ、子供の
頃「世界中の人がしゃべってて、そんなのわかるわけねーじゃん」って思ったけど、
インターネットてホントにそうだよね。
サンダーバードって入れればとホームページが出てくるわけじゃん。
そういうことなんだなと思って。おもしろいよね。

僕らはわざとインターネットを(せまい)地域で使っていて、
それにおもしろさを感じている訳なんですが。

そういうのは、おもしろいね。あのメール(メーリングリスト)はすっごいおもしろいね。
あれで、誰かが、「良い歯医者ないですか?」って言ったら、バーって入ってたじゃ
ない。あれ、すごく感激したな。
例えば眼医者とかさ、絶対行かないようなのってわかんないじゃん。
食べ物やでおいしいのっていった時も結構反応あったじゃん。そういう使い方ができ
ていくといいよね。便利なかんじ。
あれも、もっと多くの人がやったら、すごいいいよね。
めんどくさいかもしれないけどね。

今、160人位登録してるんだけど、普通うるさかっらたらやめるじゃないですか。
やめないんですよね。発言もしないんだけど、見てるだけの人がいるっていうのがおもしろい。

だから、今回賞とって思ったのは、はじめて書き込みしますって言う人が次の日にいっ
ぱいたけど、その人達は発言しないけど見てる。今まで見てるんだよね。それが、いっ
ぱいいるってのが不思議。でも、賞取った日のアクセス数はすごかったね。やっぱ、
新聞みてるのかね。

そういうふうに著名な人に直接アクセスできるっていうか、今までのファンレター
とかって絶対どっかで取り締まってて、本当に見てるのかよって感じがあるじゃない
ですか。

うーん。実際来なかったりするんだよね。(編集者)がめんどくさくて、変なのがあっ
たからとか何とかって言って、でも、「おい、待てよー。変でもいいよー、読みたい
よぉ
。」ってかんじなんだけど。だからそれはすごいうれしい。
メーリングリストに出てくる人だと思うんだけど、良くみるんですよって書いてある
んだよ。「見かけるんですよ。この度はおめでとうございます。」って買いてあるん
だけど。見たら声かけてくれよーぉ!(叫ぶ)

私もよく、お見かけします!

あとね、「私も漫画家の妻です。井の頭通りの京たこの所で、信号を渡ろうとして自
転車で止まっているのを良くみかけます。」とか書いてあって、
しかも「私の夫も漫画家だったりして。」って書いてあって、その下に「私の趣味は
吉祥寺在住の漫画家の自宅を見つけることです。」って買いてあるの。
最高に怖いじゃん。(盛り上がる!)
で、後からまたメールが来て「主人は井上三太です」て書いてあって・・・。
びっくりしたー。
怖いけど、おもしろい。
わかんないけど、すごい善良な人が多いよ。自分のホームページに関しては。

昔のおたくのパソ通の人って感じじゃないですよね。

じゃないですね、変わった変わった。女の人も多いしね。

インターネットは役立ってますか?

ホームページで広がったよね、ガーンと。実際今ライブに来ている人の多くはホーム
ページに最初来て、友達つれてきて、っていう人が多い。
だんだん歳とってっくるとさ、身内呼べなくなってくるじゃん。
人が人呼んでくれるようになったのはインターネットやってからで、そういう意味で
はいいかな。



<エピローグ>

今住んでるとこがすごくいいんで、あんまり吉祥寺は離れたくないけど。
でも、三鷹もすごい好きだったけど、緑が無くなちゃって、それで引越ちゃったの。
三鷹のイメージは畑とか雑木林と原っぱがあって、その他に新興住宅地として家が建っ
てて、そこに自分たちが住んでたっていうイメージがあるから、やっぱそういうとこ
に住みたいなって。
きっと外国とか行くといいんじゃないのー。のんびりしてて、帰ってこれなくなるん
じゃない。
まぁ、いいや老後で。だめだ、働かないと・・・。

働くの好きですか?

きらい・・・。
こうやって話してて飲みにはいちゃったり、そういうの一番いいな・・・・。

Masayuki Qusumi(久住昌之)
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